原爆投下肯定論の問題点
「原爆投下により終戦が早められ、犠牲者を最少にすることができた」
そーゆーカンジで原爆投下を肯定する場合、それにより起こってくるのは、核拡散の問題です。
いかにアメリカが優れた国であるとはいえ、原爆を作ったテクノロジーは、すでに60年も前のモノです。"60年前のアメリカが作ることが出来たモノ"ですから、今となっては、国力が弱小な国においても核兵器の製造は可能だったりもするワケで。ホントかどうだか知りませんが、機材や材料さえ揃えば、WWWで簡単に見つけられる程度の情報で原爆を作れるのだというハナシもあったり無かったり。
現在、六カ国協議だかなんだかで北朝鮮の核開発問題についても話し合われているようですが、そもそも、北朝鮮相手にアメリカやロシアや中国ががん首そろえても、すんなりハナシが進まないのはどーゆーワケでしょうね(苦笑)。
「原爆投下がなければ戦争が長引き、もっと大勢が死んだ」。近くの軍事航空分析家ジョン・ショパンスキーさん(52)は、米国社会に根強い意見を迷いなく代弁した。
核保有国を増やすことが、現在の保有国にとって有益であるのならば問題ないのでしょうが、そうでないのなら核兵器による攻撃を肯定することは、核保有国自身の発言力・存在感の低下につながります。現在の核保有国は、アメリカを筆頭に名実共に世界の王たりえる力を持っているかもしれませんが、数十年もすれば人口や経済などの中心がどこに移っていくか分かりません。
なにも「自分の国も含め今すぐ全ての国が核兵器を撤廃する」などと意気込む必要はありません。現在の核保有国が「核兵器は悪だ」とかなんとか表面を殊勝な顔で取り繕って、「核兵器廃絶に向けて努力する」とでも言っておけばいいのです。
「原爆投下により終戦が早まった」という説は、それ自体が正しいかどうかという議論もありますが、"正しいと証明したところで無益かもしれない"という問題もはらんでいるワケです。
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