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2006.01.24

具体的な数字を出す責任

 先日沖縄に行ってきました。んでもって、沖縄平和祈念公園にも行きました(巨像目当てで^^;)。この公園には「韓国人慰霊塔」というものもありました。

 韓国人慰霊塔の碑文には、朝鮮半島から徴兵・徴用された人達が、戦死・虐殺によって1万人も亡くなったと記されています。こちらのページに碑文が掲載されていましたので、引用させて頂きます。

1941年、太平洋戦争が勃発するや多くの韓国青年達は日本の強制的徴募により大陸や南洋の書く戦線に配置された。この沖縄の地にも徴兵、徴用として動員された一万余名があらゆる艱難(かんなん)を強いられたあげく、あるいは戦死、あるいは虐殺されるなど惜しくも犠牲になった

 韓国人慰霊塔は大きくて立派なものですし、多くの人達が関わって造り、碑文も多くの意見を反映し、推敲され尽くしているのだろうと想像します。

 その割に気になるのは、「1万余名」という数字です。

 いちおう、最初に書いたように、僕は戦死・虐殺によって犠牲になってしまった方の数が「1万余名」であると感じました。しかし、徴兵・徴用として動員された人数が「1万余名」のかなぁ?とも思ったままです。どうも釈然としません。

 こちらのページには、「数千人から数万人が強制連行されたといわれる朝鮮人軍夫」という記述があります。2004年に沖縄タイムスに掲載された文ということなので、韓国人慰霊塔前の碑文よりも後に書かれた文章であることは間違いないでしょう。

 ようするに、人数については、よく分かっていないワケです。

 もちろん、調査・研究なんてのは日進月歩な反面、定説がくつがえることもあるでしょうから、碑文が書かれた当時は「1万余名」というのが正しいと思われていた可能性もあります。とはいえ、"数千人から数万人"といったハナシも出ているワケですし、「1万余名」というのは根拠が希薄な数字だったのではないか…そう感じてしまいました。

 多くのヒトがこの碑文の「1万余名」という数字を見て、頭に刻み付けていくのです。

 具体的に数字を書くのなら、その責任というモノを肝に銘じておきたいものです。

 学生の頃は、社会科で現代史・近代史をサラリとしかやらず、むかしむかしの歴史ばかりを教え込まれることに疑問がありました。
 だけど、なんつーか…しょうがなかったんだなぁ、と今では感じています。たんに衝突のネタになる云々以前に、確固としたデータが提供できない部分が多すぎますから(^^;)。

 朝鮮新報には、「沖縄には朝鮮半島から1万人を超える人々が連れてこられたと言われている」と書かれています。で、先の碑文には、「一万余名」が動員されたんだか犠牲になったんだかと書かれています。そして、『「太平洋戦争・沖縄戦被徴発朝鮮半島出身者恨之碑」建立をすすめる会』は「数千人から数万人」と言っています。
 日本側の調査不備が糾弾されるかもしれませんが、どちらにしろ、不確定な段階で見切り発車し、具体的な数字を挙げて歴史の既成事実にしてしまっては、あまりに後の世代に対して無責任ではないでしょうか。

 ちなみに、Wikipediaによると、沖縄戦直前での沖縄の人口は45万人。守備部隊は総計12万人。学徒兵2万人や緊急で調達された予備役などが含まれ、戦闘員の3分の1が民間人だったとのことです(ここらへん、先の45万人とどれくらい重複するのしょう?)。

 素朴な疑問なのですが…仮に「数万人」(って、いったい何人?3~4万とか、5~6万あたり?)が朝鮮半島出身者だとすると、当時の「沖縄県民45万人」や、「守備隊10万余名」に対して割合が大き過ぎませんか? 「数万人」が「1万余名」であっても、やはり多いように感じます。

 もちろん、"累計"が万人単位になるというだけであって、ある時点を切り取ってみれば、朝鮮半島出身者の方々は、数百名・数千名といった単位で存在していたということなのかもしれませんが…。
 ただ、朝鮮半島での徴用(労役や物品)開始は1944年9月で、徴兵開始は1945年4月だったというハナシも聞きます。(参考:【徴用と】 第80回「バカの壁・再」68(…rx178の最近気になる朝鮮半島: 今日は竹島の日。)。沖縄戦は1945年の3月~6月、8月には太平洋戦争が終結して大規模な戦闘は終わってしまいます。朝鮮半島出身者の方が強制的に沖縄に連れてこられたのが1944年9月以降だったと考えてみましょう。そして、「数万人」や「1万人」が正しい数字だとするなら、その人数は"累計"ではなく、ある時点でそれだけの人数が同時に存在したと考えるのが自然でしょう。で、もしそうだとすると、ちょっと割合多くね?というワケで。

 近現代史には、隠されたままの史実やデータが多く、どうにもならないことがままあるようで悲しい限りです。
 しかし、それに立ち向かい、歴史の真実を後世に伝える「責任」というものを、常に考えておきたいと思いまふ。

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