「フラガール」~ええ泣きましたとも
炭坑の町が舞台と聞いたせいで、観に行くことを決意した作品です。
で、泣けましたね~。色々な場面で何度も。
石炭の時代の終焉が迫っていることを意識せずにはおられない状況の中、ひとつの打開策として立ち上げられた「ハワイアンセンター」設立。そのために一生懸命頑張る人々。
一途に頑張っていたとはいえ、「ハワイアンセンター」の成功を確信していた人が全てではないと思います。
フラガール達と彼女らを支える人々の姿に感動したのは、彼らが、今できることにひたすら全力を投じていたからです。
和菓子カミュ(?)も言ってましたよね。「一度始めたことなのだから、途中でウダウダ言ってねーで、最後まで貫き通せやゴルァ」みたいなカンジ(?)のことを。最良の方法を考えることも大切ではありますが、ンなことやってるヒマがあれば、今やってることに全力を尽くせ!ってのもアリなワケで。
もっといい方法があるかもしれない、もっとラクな方法があるかもしれない、もっと儲かるハナシがあるかもしれない…そんなことに気を回して、今目の前にあることに全力を投じない。わが身を省みて、彼女達(男どもも頑張ってましたが^^;)の行動に神々しささえ感じた次第。
「天」の最終18巻でのアカギのコトバを引用してご紹介。
---- 引用ここから ----
成功を目指すな……と言ってるんじゃない……!
その成否に囚われ……思い煩い……
止まってしまうこと……熱を失ってしまうこと……
これがまずい……! こっちのほうが問題だ……!
いいじゃないか……!三流で……!
熱い三流なら上等よ……!
まるで構わない……構わない話だ…
だから…恐れるなっ…!
繰り返す……!失敗を恐れるなっ……!
---- 引用ここまで ----
最初のダメダメな出発地点から、ハワイアンセンター開園まで、奇をてらった展開は無かったと言っていいでしょう。泣けた場面も、かなりベタではありました。
だが、それがいい。
アホか!誰がこんなベタな場面でな、な、泣くわけ…な、泣いてなんかいねぇやい(T_T)
…みたいな(爆)。
蒼井優の表情となまったセリフにも泣けました。ダンスも良かったです。ちょっと体が華奢なせいで現代ッコっぽく見えてしまうので、もうちょっとポッチャリしたコのほうが当時の空気を出せるんじゃないかと思ったりもしましたが、アレはアレで今風な明るさが感じられたのが良かったかも。"イマドキのコの容貌をした蒼井優"が、いにしえの炭坑町のコとして頑張ってる姿を見ると、イマドキのコも頑張れるんじゃないかとか思ったりするワケです。年配の人だけでなく、中学生や高校生にも観て欲しいですな。
そういえば、僕は豊川悦司という役者はあまり好きじゃなかったんですよ。演技がクサいといふか何といふか(^^;)。でも、本作でのトヨエツは良かったです。おかんには頭が上がらないけど、うまい具合に男塾一号生筆頭炭坑の若手頭っぽく立ち回っていた部分と、妹を応援したい気持ちと炭坑を想う気持ちの葛藤具合とか絶妙でした。
炭鉱の山と住居の群れ、そしてボタ山などもヨイ感じでした。背景になった時のボタ山がのっぺりしてて、なんとなく平面っぽく見えたりもしましたが、アレはアレで逆に本物っぽいのかもとか勝手に納得してたり。
ちなみに、"Based on the true story"なあたりもポイント高し。
現在も、このハワイアンセンターは実在し、存続しています。行くべし。
フラガール (出演 松雪泰子、豊川悦司)
B000GQMJCU
主役は、むしろ蒼井優っぽいやも。
わが谷は緑なりき
B000H1RGSQ
炭坑モノといえば、コチラもお忘れなく。
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