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2006.10.29

賢い主婦は…

「新聞広告クリエーティブコンテスト」入賞作品 「エコ買い」

賢い主婦はスーパーで手前に並んでいる古い牛乳を買う。

 なるほどなるほどと腑に落ちるコピーです。

 棚の奥から日付の新しい牛乳を引っ張り出して買って、「私は賢い主婦だ」と自己満足するのもいいですが、賞味期限内に消費できるメドが立つのなら、古いモノを買ってもええんでわないでしょうか。

 今朝の中国新聞にも、このコピーが紹介されていました。広島の大手スーパーの人のハナシと合わせて紹介してあったのはグッジョブb。
 それによると、牛乳は賞味期限が比較的長いため、期限切れでの廃棄は少ないとのこと(0.1%)。しかし、パンなどのように賞味期限が短いものになると、廃棄率は牛乳の4倍にも膨れ上がるそうです(0.4%)。僕がスーパーで勤めていた時の経験からいえば、野菜や魚などの廃棄は、さらに多いように思います。

 廃棄の原因の全てが、「自称"賢い主婦"が棚の奥から新しい日付の商品を買うせい」だとは思いませんが、一考を要する部分があることは認めなければならないでしょう。

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 …

 関連、というワケでもないですが、「賢い主婦」は閉店前の「値引き」を目当てに列を作ったりもします。
 多くの商品は、賞味期限が少なくなってくると「2割引き」とか「半額」にされます。お惣菜などは、その当日のうちに売り切ってしまわねばならない商品も多く、早めに見切られてしまいます。

 これには実は「カラクリ」があったりもします。

 いくつかのカテゴリの商品は、メーカーに対して、小売価格の半値以下でおさめさせられています。どーゆーことかといいますと、お店で200円で売られている商品は、メーカーが90円とか80円で小売店に納品しているワケです。
 廃棄してしまえばさすがに損になっちゃいますが、半額にして売っても、小売店自体の損は最小限でおさえられる…場合によってはわずかながらでも利益が得られる、というワケです。

 まぁ、「カラクリ」というほど大げさなモンでもないですが、「半額」になるまでお惣菜を買わない「賢い主婦」は、この「カラクリ」にしっかり加担していると言えるワケですよ。

 これの何が問題かとゆーと、けっきょくのトコロは旦那の給料に跳ね返ってくるワケで。メーカーは、スーパーに商品を採用されるために、わずかな利益で商品をおさめてるワケです。
 メーカーに勤めている旦那の収入はかんばしくない→奥さんは家計をやりくりするために半額商品を購入→スーパーの売り上げショボーン→メーカーにしわよせ(以下ループ)

 聞きかじりによると、超大手スーパーのダイエーが破綻した理由のヒトツは、協賛金だかなんだかをメーカーから取っていたせいだとのこと。
 ダイエーに協賛金だか何だかを払うと商品を採用してもらえる→でもその商品は消費者には不人気→客離れ、という構図。ダイエーは破綻したけれど、大手小売会社を中心に、今もこのような「誰も幸福にならないシステム」が運用されているのだそうで。協賛金は数千万円とか億単位になることもあるそうで、小売店はそれを利益に出来るから、超安売りが可能になる、と。
 その他、量販店が新しい商品管理システムなどを導入すると、なぜかメーカーは売上のウン%を「システム利用料」として巻き上げられたりしてるらしかったり。

 うーみゅ。

 …

 いじめ問題なんかもムリヤリからめてしまうと、「自分さえよければ」という、想像力を欠いた考え方は、あんまりよろしくない事象を生むのではないかと思います。

"今ここで、日付の新しい牛乳を買えばどうなるか、買わなければどうなるか"、想像力を働かせることができないまま生活していると、色々な場面で「誰も幸福にならないシステム」のスイッチを入れることになりそーだなと思ったり思わなかったり。
 いじめ問題でゆーならば、いじめられた子がどんなに苦しんでいようとも、いじめた側や傍観者が想像力を働かせていなければ、いじめ問題の存在さえも表沙汰にならずに終わることも多々あるワケで。

 安売り商品なんかは市場原理なんかもありますし、良い商品が安く買えるに越したことはないようにも思いますが…その裏で泣いている人も多いということに思いをはせることも、たまには必要かもしれませんね。
 ことはメーカーと小売店だけにおよばず、たとえば、サービス残業問題なんかも根は同じ。社員に残業代を支払わないことで、会社はお客様に色々な利益を提供できる。でも、ホントにそれでいいの?というワケ。
 実際にモノのやりとりを行う商売においては、「牛乳」に象徴される廃棄の問題が付きまとうワケで。安ければ消費者の味方なのか? たとえ消費者にとって良いことづくめであっても、廃棄を前提としたシステムをどこまで許容するのか?

 常に想像力を働かせていきたいものでふ。

ダイエー・ヨーカ堂発 超価格革命が図解でわかる本―超価格破壊で大変革する流通
岡本 広夫 (著)

価格2分の1革命のすべて。ダイエーの価格革命戦略がわかる。イトーヨーカ堂の戦略がわかる。価格破壊者DSの戦略がわかる。

 1994年に発売された本ですが…今となっては、ダイエーのアホさをさらけ出した本になり果ててますネ(^_^;)。自分自身もメーカーも関連企業も破綻させるとは、たいした革命だこと(苦笑)。

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