さくらちゃんのチャリティコンサートの収支の件
世間では「死ぬ死ぬ詐欺」のヒトツではないかと疑惑の目を向けられているワケですが、まぁ、これはおいおい事実が明らかになるでしょう。
僕的な疑問のヒトツは、募金活動の端緒となった武蔵野市民文化会館におけるチャリティーコンサートの収支の件。
武蔵野市民文化会館は、さくらちゃんの両親が勤めるNHKが経営しているホールです。もし、ココを無料、または格安で使用していたとしたら、NHKの受信料を払っている人への重大な裏切り行為です。NHK受信料を納めている人が、無条件に募金に協力させられたカタチになっちゃいますからね。なので、それは無いだろうということにします。チャリティコンサート全般が無条件に無料で開催できるワケではないようですし(「営利を目的としない武蔵野市内の芸術文化団体の優先使用」という規約はあるようですが)。
てなワケで、ここでは「通常の使用料金」を支払って、チャリティコンサートを開いたと仮定します。
Yahoo!ブログ - 「救う会」について考えるブログ 「さくらちゃんを救おう!チャリティーコンサート」後に寄せられた多くの疑惑
-SEISHIRO KUSUNOSE- BLOG:さくらちゃん - livedoor Blog(ブログ)
So-net blog:ブログおしゃぶりマンボ:さくらちゃんを救う会
さくらちゃんを救う会/これまでの活動の様子
上記のブログなどから、チャリティーコンサートの概要がだいたい分かります。
開催日時:9月23日(土・祝)15:00~16:30(開場14:30)
開催場所:武蔵野市民文化会館 小ホール
入場料:無料(入り口に募金箱設置)
「客席数 474席(固定席470、車椅子席4) 」と記載されています。さくらちゃんを救う会のオフィシャルの発表によると、観客の数は「会場の100人以上の観客」という表現になっています。ですので、ひとまずチャリティコンサートへの参加者の数を「100名」と仮定してみます。「ホールの半分にも満たない人数」との表現をする方もおられるので、もっと多かったのかもしれませんが、さくらちゃんと同年輩の子供さんも多く参加されているようなので、そこらへんも加味しておきましょう(年齢一桁の子供の募金額はひとまず当てにしません)。
追記:コンサートには武蔵野市長も駆けつけたそうです。交通費は…公費?
上記の前提をふまえて、利用料金を見ていきましょう。
「土日祝」の「午後1時~5時」ですから、48000円です。これは、純粋に小ホールの料金となります。楽屋やリハーサル室を使用すると別途料金がかかります。
楽器やマイクや音響設備、もろもろの小道具、照明などなど、全てに細かく料金が定められています。楽器は自前のものが多いでしょうけれど、その他は必要に応じて使用したと思われます。特に照明あたりは借りざるをえないのでわ?
明細が分からないので何とも言えない部分はありますが、チャリティコンサートの費用は、およそ6~10万円程度ってカンジでしょうか。プロのミュージシャンも参加してますし、自分の機材なんかも持ち込んでるでしょうから、まぁ、少なめに見積もって「7万円」としてみましょう。
参加者一人頭1000円を集めたならば、1000円×100人=10万円です。
ん? 10万円しか集まらないとなると、ちょっと厳しいカンジです。
上記の7万円を引くと、3万円しか残りません。一人頭2000円を集めても、13万円が残るだけです。
たくさん出された方も中にはいらっしゃるでしょうが、全体としての平均が3000円までいくかどうかは疑問です。
この点、「平均1万円いってたゾ!」という事実があったとしても、それは関係ありません。経費が少なくとも6~10万円程度はかかることが分かっていたのです。となると、観客数や募金額の予想が必要になってきます。主催者側は、いったいどれくらいに見積もっていたのでしょうね。10万円の利益を出すだけでも一人2000円、100人以上の集客が必要になる計算なのですが…。
施設利用料金などの諸費用に関しては、漫画家の石坂啓さんや、ミュージシャンの楠瀬誠志郎さんが支払った可能性もありますかね(それを公表するのはカッコよくないと考えていらっしゃるのかも)。もしくは、両親自身か、両親の同僚。
ミュージシャンの楠瀬誠志郎氏が払った可能性が高いと推測できはしますが、はてさて。
追記(2006/11/):
さくらちゃんを救う会 検証 - Q&A
「コンサートホール代はバンド持ち」だったとの情報がありますね。
チャリティコンサート前日の9月22日時点での募金合計金額はおよそ約240万円ですから、石坂啓さんや楠瀬誠志郎さんといった、さくらちゃんを支援する著名人の方々も、ビックリするような金額を募金したワケではないとゆー想像もできます。
どちらにしろ、約500人収容のホールを借りると、収益としてはかなり厳しいのはたしかでしょう。
まぁ、チャリティコンサートといっても、「決起大会」や「広報」的な意味合いもあるでしょうから、大幅な赤字さえ出なければオッケーと言えるのかもしれませんが…。
…
ご両親(とその支援団体)は、おそらくはNHK役職としてのコネなどを利用して募金活動を展開されていると思います。9月22日までには、民放4社に出演し、少なくとも5社の新聞に募金の記事が掲載されています。
自分の子供の命を救うために、両親が出来る限りのことをなりふり構わずすることは、賛否両論ありこそすれ、有効な選択肢のヒトツでしょう。
とはいえ、ここらへんが不透明なのは問題かも。休職したり有休を取ったり…さくらちゃんのために活動する時間を得るための手立ては色々あります。
しかし、NHKの力を使って活動していたのなら、批判を受けることになっても仕方のない面はあるだろうと思います。上にも書きましたが、NHKの力は「皆様の受信料によって支えられて」いるからです。
頼みもしないのにテレビ局が20分近いワクをくれたのでしょうか? 気がついたら、同じ日に5社の新聞に記事が掲載されていたのでしょうか?
そうではないでしょう。
事前に支援団体だけでなくご両親が少なくとも電話一本はかけたでしょうし、「NHKプロデューサー」としての名刺を持って各社を回ったハズです。
仮にNHKのお金を使って各社に連絡を取ったり、移動していたのならば、批判を受けても当然です。もちろん、親として出来る限りのことをする、という点においては、責めるのは酷な部分もあると思いますが、完全な免罪符にはなりません。
「さくらちゃんのご両親(とその支援団体)への批判が許されるべきか否か」という問いは、根本的に間違っています。アリかナシかではありません。さくらちゃんの支援団体も認めているように、説明に不十分な点はあったワケです。
ある程度の批判が出てきても当然だったのが、今回の「さくらちゃん募金」だったと言えると思います。
疑問点は、きっちり明らかにする。
批判するべき部分は、きっちり批判する。
不備があれば、きっちり改善する。
募金する側される側が、これらの作業を怠っていると、本当の「死ぬ死ぬ詐欺」や「募金詐欺」が蔓延していくことになるでしょう。
さくらちゃんのためのみならず、世界中の苦しんでいる人たちのために「募金」という手段を活用していこうと考えるならば、ときには批判も必要であることを考えに入れておかねばならないのではないでしょうか。
…
10月19日現在、募金は目標額にほぼ達しています。
さくらちゃんの手術が無事行われ、ご両親と共に幸せな日々を過ごせるよう祈ります。
…
関連リンク:
さくらちゃんを救う会
TRIO JAPAN
FrontPage - 死ぬ死ぬ詐欺 まとめwiki
OhmyNews:「死ぬ死ぬ詐欺・まとめサイト」の卑劣さを考える
J-CAST ニュース : 2ちゃんねらーと 救う会が初の「対話」
みたけ音楽日記~業界浮遊録~ 本日、チャリティコンサートです
確実な情報
募金箱の噂 募金を勧めて責任取れますか?
追記(2006/11/1):
さくらちゃんを救う会 検証 - Q&A 何故TVに出演したりコンサートを開いたり出来るのか
広報担当者とその仲間によるセッティングであって、両親は出演交渉には関与していないらしいとの情報です。NHK職員である両親は、その力を行使していないらしい、と考えていいのでしょうかね。しかし、「その仲間」の中には、NHK職員の永田浩三氏なども含まれるのですが、こちらはどうだったのでしょう?
2006/11/21追記:
会計報告出ました。
9月23日のチャリティコンサートの収入は、36万7934円だそうです。
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Comments
NHKの親が電話をかけたのではない
電通関係者が代表者にいる
Posted by: 事情通 | 2006.10.24 01:28 AM
>NHK受信料を納めている人が、無条件に募金に協力させられたカタチになっちゃいますからね。
??? なぜ?
企業がもうけたお金 使うのは自由でしょ。
そもそも一般人が募金しても同じ。
金は天下のまわりもの♪
Posted by: | 2006.10.24 07:15 AM
>事情通様
情報ありがとうございます。
なるほど電通。すると、疑惑が新たに生まれますね。電通と組む契約をしたのは誰か? 電通へのお金はどこから、いくら出ているのか? さくらちゃんのご両親は、今回の件で電通とどれだけ接点を持ったのか等々。
募金は目標額に達したようですが、今後もやはり注目していきたいと思います。
>匿名様
>??? なぜ?
>企業がもうけたお金 使うのは自由でしょ。
一般企業ならばその通りです。しかし、NHKの場合は別です。
NHKインターネット営業センター なんで受信料を払うの?
NHKは、「受信料を財源とする公共放送」です。その活動には様々な制限があります。皆様から集めた"受信料"を、職員の個人的事情で使うことは許されていません。
NHK平成18年度予算要約
事業支出の項をご覧頂ければと思います。NHKは営利企業でも慈善団体でもありません。
>そもそも一般人が募金しても同じ。
>金は天下のまわりもの♪
お金が天下のまわりものという点には同意します。
しかし、今回の募金は、NHK幹部が、その力を利用して広範囲に宣伝をした結果、たくさんの人から短期間で募金を集めたという見方も出来ると思います。そのやり方に対して、賛否両論出てくるのは当然だと思います。
チャリティコンサートの件にしろ、NHK幹部でなかったら、プロのミュージシャンの協力を得ることは難しかったワケですし。
Posted by: KEI | 2006.10.24 09:41 AM