今そこにある食料危機の芽
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - 対中コメ輸出 松岡農相、解禁で中国と基本合意
中国を訪問している松岡利勝農相は18日、北京市で中国の国家品質監督検査検疫総局の李長江局長などと会談し、日本のコメの対中輸出を解禁することで基本合意した。富裕層などを対象に年数万トン規模の輸出を目指す。
食料を輸出できるほど日本の農業が成長産業になれば、それはそれで喜ばしいことのように思えます。
このコメ輸出についても、非常に喜ばしいことのように感じられます。偽コシヒカリが蔓延している韓国にも、しっかり輸出してもらいたいところ。
「日本食レストラン認証」については、ネトウヨ的には歓迎の声が多いようですが、そんなのやってたら日本の輸出産業が干されかねないような悪寒がぎゅんぎゅんします。ニセモノを嘆くだけでなく、ホンモノをしっかり発信できるよう努力できる部分は努力していきませう。
それはそれとして、どシロウト的に懸念しているのが、将来の食料危機です。
今は、中国に「おコメ買ってください」と日本が頼んでいる立場ですが、これが将来、「日本のおコメをこれ以上買わないでください」てなことにならんとも言い切れないワケで。
今、危機一歩手前にあるのが、「魚」らしいです。ニュースにも取り上げられていて記憶に新しいのが、マグロ。台湾などが日本よりも高い値段で、マグロを買っているので、主に関東人が危機感を抱いているとかいないとか(爆)。
まぁ、ニュースになっているのはマグロくらいのもんですが、食卓の定番のサバなどもヤバいのだとか。多くの国が日本よりも高い値段で買っていくため、相対的に日本への輸入量が減っていく可能性もあるのだとか。「魚」が厄介なのは、そうやすやすと増産ができないことです。養殖にしても技術の確立に時間がかかりますし、そもそも養殖が行われていない(できない)魚種も多々あるワケで。
一見食料と関係なさそうですが、とてつもないインパクトの食料危機を日本にもたらしそうなのが、エタノール問題。エタノールは、南米ではサトウキビから、北米ではトウモロコシから主に生産されています。日本ではあまり広がりを見せていませんが、燃料としてのエタノール需要は世界的に増えているそうです。
日本は、穀物もエタノールも、多くを輸入に頼っています。しかし、輸出国側からすれば、もはやわざわざ日本に輸出しなくとも、巨大な市場が自国内にも他にもあるのです。日本なぞに安く売ってやる必要はどこにもありません。
日本は今もデフレの名残りで、安くて美味しい食品がどこに行ってもお店にあふれています。
なんとなく、これはこれで「豊かさ」「飽食」の象徴のように思えます。最近あまり聞かないコトバですが、「エンゲル係数」が低いことは、"リッチ"であることとイコールのように語られます。
しかし、逆に考えてみてください。
日本人は安い食べ物しか食べていないのです。
誤解を恐れずに言うならば、「貧しい」んです。
「日本人の年収は高いんだから、相対的に安いだけで、世界的にみれば十分リッチ(死語だな^^;)」
そう自信を持って言えますか?
10年後…いや、5年後…輸入に頼る日本の食料産業は崩壊しているかもしれません。
輸入したくとも諸外国に買い負け、慌てて政府が大量の資金を農業漁業に投下して国内生産を増やそうと試みる。そんなにわか方策がうまくいくハズもなく、やむなく外国資本の大農場・養殖場を日本国内に多数建設(すでにあるでしょうが)。そこで生産された食料が日本国内に流通するかと思いきや、けっきょくは海外に流出。
ついでに特アを例に妄想。日本からのODAを受けている中国も、日本国内に国営(「中国国営」ですよ)の農場や漁協を開設。しかし、そこで生産された食料は、日本との合意(日本国内で生産した食料は日本国内で消費する、みたいな)を反故にして中国へ全量流出。日本は抗議するも、弱腰なので追い出すことも出来ないまま日本の食糧は中国に搾取され続ける。で、そんな中国様に日本はODAを提供し続ける、と。
悪夢のようですが、日本が世界的な食料市場において、諸外国に買い負けし始めているのは事実です。
ナニをアレすれば解決する、みたいな方策は無いかもしれません。
(cache) あるある大事典:「納豆ダイエット」はねつ造 関西テレビ-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ
たんに国産のモノを買えばOKとはいかないでしょう。国内で出来ることに限りはあるでしょうから、色々な食料を色々な国から買い、その国との関係を良好に保つことも大切でしょう。
誰にでもできる方策のヒトツは、ちょっとテレビでやったからって、その情報に踊らされないことだと思います。
納豆が売れ過ぎて欠品が出たことで、大手小売は問屋やメーカーなどに大きな貸しを作ったとか聞きます。
どんな業界でもそうだと思いますが、欠品をすれば、色々とペナルティが発生します。たんにその場のハナシだけでなく、後々に響くこともあるでしょう。
現在でも、大手小売は、「特売」を入れる時にはメーカーに原価を引き下げさせます。特売チラシに載せるためと言って、なぜかメーカーから広告料を取ります。当たり前と言ってしまえばそれまでですが、そうなると、メーカーは原価を抑えざるを得ません。
つまり、僕が今回書いたように、日本は安い食品しか入手できなくなっていくワケです。
電化製品とかなら、技術革新などで、利益水準を保ったまま、同じものを安く販売できるかもしれません。しかし、食料はなかなかそうはいきません。
今まで150円だったウインナーが100円で買えるようになった。では、その50円はどこに逝ってしまったんでしょうか?
非正規雇用が増え、少子化が進む日本の現況も、こういった食品事情に端を発しているといえば大げさなようですが、ヒトツのキーではないかと感じます。
電化製品は無くても生きていけますが、人間、食べなきゃ生きていけません。
「食料危機の芽」が、今そこにある。そんな気持ちは、常に持っておいたほうがいいのではないでしょうか。
情報に踊らされるな!とか言いつつバレンタインのアフィリエイトを貼るテスト(爆)。
追記:
特に調べてはいませんが(爆)気になっていること…
他の国では、国がその国の料理を出すレストランの認定をしているのかどうか、ということ。
すんません、日本語ヘンです。
とにかく、ネトウヨ的には歓迎の声も多い「日本食レストラン認定制度」に類するものがあるのかどうか、ということ。
たまたま入手した案内に書いてありました。
タイには、タイ政府による「タイレストラン認定制度」があるもよん。
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Comments
穀類と近海魚類だけ食べる生活に戻れば結構上手く行くってことですかね。
お米と味噌汁と、納豆もしくはタクアン、
晩飯に焼き魚一品つけば充分な犬の戯言ですた。
Posted by: 誠犬 | 2007.01.31 12:17 AM
一日二食、
朝にはお米と具なし味噌汁、今話題の納豆もしくはタクアン、
晩御飯にはそれプラス近海産の焼き魚、って生活でまかなえばいいような気もする。今晩は誠犬です。
今回の論説には概ね賛成です。が、
ゼータクの「贅」の部分を切り捨てても人は生きていけるという点が抜けてるように感じました。
食料自給率の低下は、自国の生産能力だけではなく、
自国民の嗜好にも左右されますよね。
といいつつ、あっしはバーガー類のジャンク系好きなんですけどね。
困ったもんです。
Posted by: 誠犬 | 2007.01.31 12:35 AM
レストラン認証は、やってほしいです。
なぜなら、フランスの中華料理店が一斉に日本料理店に衣替えした理由が、
「不潔な実態をマスコミに暴かれ、客足が激減したため」という、看過しがたい
ものだからです。
彼らに生ものを扱う日本料理を事故なく運営できるはずありません。
ですから、少なくとも一定レベル以上の衛生管理ができる店を、色分けする必要は
あるでしょう。
食糧危機に関しては、私は楽観しています。
日本の強みはなんといっても豊富な水です。
農産物を輸出することは、即ち水を輸出することですから、このまま大陸の農地荒廃が進めば、日本の優位性は高まります。
日本の食料輸入が細り、結果的に地産地消が進めば、それは本来あるべき姿かなと。どちらかといえば、そういうの、私の好みです(笑)
素性の知れないものにお金を払うのには常に、誤魔化しを疑うストレスを伴います。
いい仕事には正当な対価を支払いたい、というのが日本人的メンタリティーだとすれば、地元の農家さんが心をこめてつくったものに満足してお金を支払えるでしょう。
Posted by: モモたん | 2007.02.01 01:27 AM
>誠犬様
コメントありがとうございます。
>食料自給率の低下は、自国の生産能力だけではなく、
>自国民の嗜好にも左右されますよね。
ここらへんもキーになるでしょうか。少々高くても日本国民は魚を買い続けるでしょうし。
http://www.chushi.maff.go.jp/jikyu/toha/toha_3_2.htm
ただ、やはり、もう少し食料自給率が上がらないことには心配です。
>モモたん様
コメントありがとうございます。
>なぜなら、フランスの中華料理店が
>一斉に日本料理店に衣替えした理由が、
>「不潔な実態をマスコミに暴かれ、
>客足が激減したため」という、
>看過しがたいものだからです。
うわ、ヒドすぎ(^^;)。
「ネトウヨ」を嫌う人たちも世間にはいますが、中国人や韓国人の行動には、叩くべき部分がたくさんあるのも事実ですよね。
その意味では、僕もレストラン認証をやってもらいたいのですが、アメリカ産牛肉の件などで緊張が高まっている時期にやることは賛成できません。
http://www.fda.gov/ora/oasis/12/ora_oasis_c_jp.html
↑このページは、日本からアメリカへ輸出された加工食品のうち、停止されたもののリストです。停止といっても一時的なものですし、必ずしも不備があったとは限らないのですが、キリンビバレッジや森永といった企業でさえ、アメリカ側の役人の意向ヒトツで輸出が完全にストップしかねない現状が伝わるかと思います。
先日、僕の会社の同僚がアメリカに出張し、日本食レストラン(日本人の経営ではなかったそうです)で刺身を食べて腹を壊した、というとんでもなくベタな土産話を聞かせてくれました。
そんな笑い話のようなベタな出来事が実際にあっさり起こってしまう現状は腹立たしいですが、だからといって極端に反応してしまうと、極端な反発を招いてしまうのでわないかと危惧しています。
Posted by: KEI | 2007.02.10 11:46 AM