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2008.03.10

「11万人ガンバロー説」は真実か?

 3月23日に予定されている沖縄県民大会を前に、昨年の9・29大会を回顧。

 大会翌日の琉球新報、2007年9月30日の日曜版1面に「十一万六千人がガンバロー三唱で締めくくった」という文章が掲載されています。
 同じく2007年9月30日付けの沖縄タイムス朝刊1面には「11万人が、一斉に『ガンバロー』を三唱した」と書かれています。

 あなたは、この文章を読んで、どういう場面を思い浮かべましたか?
 ウヨだのサヨだの抜きにして、素直に考えてみてください(爆)。

 いかがでしょうか?

 多くの方は、「11万6000人」が「一斉」にガンバローを三唱している場面を思い浮かべたことと思います。

 そうでない方は、どんな場面を思い浮かべたのでしょうか?

「新聞に『11万6000人』と書いてあるからには、実際はもっと少なかったんでしょ」と思った方は、ややネトウヨ寄りの考え方かもしれません。少なくとも、ネトウヨから歓迎されます。
「新聞に『11万6000人』と書いてあるからには、実際はもっと多かったんでしょ」と思った方には、県民大会の延べ参加人数は何人になるのかお聞きしたいところです。

 話を戻します。

 文章を額面通りに素直に受け取って、「11万人が同時に」ガンバローを三唱した、というのが真実だと仮定します。
(「6000人」は宮古・八重山の郡民大会分なので割愛)

 この「11万人」の中には、「途中で帰った人」「まだ会場に着いていなかった人」は含まれるのでしょうか?

 含まれるのだとしたら、琉球新報・沖縄タイムスの印象操作だと私は思います。
 実際にガンバロー三唱をしたのが11万人より少なかったことを承知の上で、あのような文章を書いているのですから。

 含まれていないのだとしたら、「途中で帰った人」「まだ会場に着いていなかった人」は、いったい何万人いたのでしょうか?

 もしこれが10万人というレベルだとすると、沖縄県民の5人に1人が参加したといってもいいほどの規模になっちゃいます。さすがにこれはありえませんよね。
(11万人+10万人=21万人。沖縄県の人口は約137万人。137÷21=約6.5)

 ガンバロー三唱に加われなかった人を5万人だと仮定しても、「16万人」という計算になってしまいます。県民の8人に1人が参加するレベルまでいくと、さすがに県内各所の運営(経済・商業活動や公共施設等)に支障が出ると思います。これもさすがにないんじゃないかと。

 琉球新報の「11万人ガンバロー説」を真実であると考えるならば、「途中で帰った人」「まだ会場に着いていなかった人」は、どんだけ多くとも3万人ぐらいまでと考えておくほうが無難だと思います。

 ところで、琉球新報・沖縄タイムスの「11万人ガンバロー説」を真実であると考えると、主催者発表の「11万人説」にゆらぎが生じてきます。

「途中で帰った人」「まだ会場に着いていなかった人」が3万人いたとすると、参加人数の主催者発表は「14万人」であるべきなのですから。

 この齟齬を解消する方法はいくつかあると思いますが…

1.「11万人ガンバロー説」は嘘だった
2.「途中で帰った人」「まだ会場に着いていなかった人」は微々たる人数だった
3.「途中で帰った人」「まだ会場に着いていなかった人」は参加人数に含めていなかった

 こういったあたりが有力でしょうかね。

 もし3だとすると、「11万人+α」がかなりの人数に膨れ上がるかもしれないので、色んな意味で諸刃の剣。



 話は変わりますが、よく、「たとえ11万人でなく4万人や2万人だとしても大会の価値はゆるがない」みたいな言説を目にしますね。僕も、その点については異議はありません。
 僕が問題に思うのは、参加人数の主催者発表の正確性・妥当性自体についてです。

 沖縄の県民大会が…みたいな具体的な例を考えず、とあるイベントが行われた際の新聞記事を考えてみて下さい。
(在沖米軍を強化すべきと主張する集会を想像してもらってもいいでしょう)

A:11万人が参加したのに4万人と書いた新聞
B:4万人が参加したのに11万人と書いた新聞
C:11万人が参加して11万人と書いた新聞

 どれがもっとも良質な新聞でしょうか?
(「良質な新聞」という定義も難しそうですが^^;)

 選ぶまでもないと思うのですが、いかがでしょうか?


■3月23日に開催予定の県民大会の情報:
好き。 沖縄県民大会 北谷公園で開催予定


沖縄県産泡盛★神村酒造 守禮 30度 600ml

2009/7/5追記:
石原裕次郎 二十三回忌法要 - Google 検索

 東京の国立競技場で行われた石原裕次郎さんの二十三回忌法要、主催者(石原プロ)の発表によると、11万6862人が訪れて献花をされたそうです。開門は午前6時40分、閉門は午後10時とのこと。
 午前中にあった式典のときには競技場内に3万5000人がいたそうです(集結人数が最大にふくれあがったのはこのあたり?)。

【99年7月3日】裕次郎十三回忌に20万人ドドッ!11時間も並んだのに…(芸能) ― スポニチ Sponichi Annex 芸能 日めくり芸能界 2009年7月

ピークの午後1時にはJR鶴見駅から寺まで12キロ。神奈川県警鶴見署の発表によると会葬者数は13万5000人とされたが、JRや鶴見に駅がある京浜急行の話などを総合すると、ゆうに20万人は超えていたとみられる。 (中略) 最も混乱していたのはJR鶴見駅だった。ホーム、改札付近ともに満員電車並みの混雑。午前10時に警察が「列最後尾はここから8キロ先です。寺までは8時間かかります!」とアナウンスしてもあきらめるファンはおらず、行列がみるみるうちに長くなった。

 10万人の重みって凄いですね。これって、記帳とか献花の順番があったからキッチリ並ばされて、そのせいで混乱が増幅されたってカンジでしょうか?

 自家用車の渋滞を多少招いたくらいで運営できた「沖縄11万人集会」のノウハウを石原プロに伝えると喜ばれるかもしれませんね。

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