酔いまくりw 映画「クローバーフィールド」
身も蓋もなく、若干ニュアンスがねじまがりそうな表現で、この作品をたとえるなら、「高予算のブレアウィッチプロジェクト」といったカンジでしょうか。
手持ちのホームビデオで撮影された映像、というコンセプトが一緒なだけといえば、まあそうなんですけど、簡潔に言い表すにはそれしかないかな、と。
ブレアウィッチには「あるものを記録しよう」という意図があったので、今思えばそれなりに落ち着いた映像だったのですが、「クローバーフィールド」のカメラは、もっと乱雑に扱われていて、酔い度(?)はより高いです(酔いやすい人が映画館で観る場合は、後ろ目の席を選ぶなど工夫が必要なレベルかも?)。
その乱雑さを評価するかしないか、がこの映画を楽しめるかどうかの分かれ目でしょうか。
緊迫感を高める効果はたしかにあります(乱雑といっても、もちろん計算され尽くしたカメラワークなわけですし)。
たとえば、この作品を、きちんとカメラをフィックスして、キレイな映画的な構図できっちり撮影したとしたら、同じレベルの緊迫感は出せないでしょうから。
この手の作品で好感が持てるのは、「顔が売れていない俳優」をメインに起用していること。
どんないい俳優だろうと、超売れっ子(死語)では、作品の雰囲気を固定させてしまいます。演技力がどうとか、俳優の努力がどうとか、そんなものは多くの場合無効です。
売れていない、といっても、日本の映画ファン…少なくとも僕が知らないだけで、それなりに定評のある役者さん達だったりするのでしょうが、まあ、僕が楽しむにはそれで十分(爆)。
女性キャラ、特にリリーとマレーナに胸キュンw
リリーの色気と、マレーナの素っ気無いカンジの対比も面白かったです(笑)。マレーナのアップ、目玉がかわええッスw
で、ベスを演じてたオデット・ユーストマン(Odette Yustman)ですが、パンフレットによると、「キンダガートン・コップ」で女優業をスタートさせてるそうなんですよ。
そう、あのアーノルト・シュワルツェネッガー御大が幼稚園を舞台に大暴れしちゃう(?)名(迷)作です。あれが1990年の作品だそうなので、幼稚園児の一人だったとかでしょうか(当時の年齢から逆算するともうちょい年上っぽいですが)? 検索してみたカンジでは確証が持てなかったのですが、そう考えると、なんだか感慨深いですね(笑)。幼稚園ではターミネーターの大暴れに遭遇w 大人になってからは○○の大暴れに遭遇www
あー、あと、ぜんっぜん関係ないのですが、たまたま漫画「シグルイ」を読み始めていたので、「クローバーフィールド」の中で垣間見える当局の方達の働きがまぶしく見えたりしました。
「武士道に於いて分別出来れば、はや後るるなり(おくるるなり)」(「葉隠」の一節)
前代未聞の事態に際して、決して浮き足立たず秩序だった行動で市民を助けるために働く。それもまた武士道なのかな…とか色々と見当違いのことを想像しながら「クローバーフィールド」を鑑賞した次第にござりゅw
あー、そういえば、カメラの扱いが乱雑、と最初に書きはしましたが、これはこれで良い効果は出てました。
先日、「ボーン・アルティメイタム」を観た時には、”アクションを見せるためのカメラワーク"のセオリーから外れた映像に感激しました(たしかパンフには、「アクションをカッコ良く見せるための構図を採用すると、アクションの展開の先が見えてしまう」みたいなことが書いてありました)。
「クローバーフィールド」は、そこまでの極端さはないにせよ、特に序盤は思いがけない絵ヅラもあったりして楽しめました。
「様式美」というものも大切ですが、やはり、そこを外していこうという努力には賞賛を贈りたいかなと思ったり。
蛇足といえば蛇足なのですが、ニューヨークの大まかな地図を知っておいたほうが、この映画を楽しめただろうと思います。僕は「ブルックリンブリッジ」とか名前は知ってても、どっち方面の橋なのかとか分かりませんでしたので(^^;)。「リンカーントンネル」とか「59丁目」とか、あらかじめ知っておいたほうがいいかもです。
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