「ランボー 最後の戦場」 ランボー史上最○の戦い(!?)
太陽系120億人(推定)のランボーファンが待ちかねていたシリーズ最新作がついに登場!
この映画の上映時間がわずか「90分」であることを知って、内容に懸念を持ってしまったりしたこともありましたが…まぁ、その懸念は半分当っていたというかなんというか…。
テーマが重いので、あまりアレなことを言うとアレなんですが、まぁ、ぶっちゃけ、「ランボー史上、もっともラクな戦い」であったことは間違いないかと。つまり、「最楽の戦場」(爆)。
範馬勇次郎風に言うならば、「始まったばかりというところ」ってカンジ。
今回のランボーには最初から仲間がいて、さらには相応の力量の相手と戦うこともなく、ましてやちょっと一暴れしてこれからという時には援軍来たる、と。
スタローンの苦虫を噛み潰したようなツラとダミ声を堪能するヒマもなく、上映が終わってしまうんです。
これを悲しまずに何を悲しめばいいのかと小一時間。
以上の部分は、たんにエンターテイメント作品として俺的にどうか、という部分です。
今回のランボーは、ある意味、スタローンの挑戦が詰まった力作だとも言えると思います。
今回のランボーは、なんとR-15指定。今までとは違ったバイオレンス描写で構成されています。
パンフレットにも書かれていましたが、「プライベート・ライアン」が一変させたと言われたりもする、映画におけるバイオレンス描写。今回のランボーも、それ系ともいえる戦闘描写なんですよ。
戦闘シーンでは、機関銃などで撃たれると、手が足が、そして首が飛びます。いえ、飛びもせず砕け散ることすらあります。
さらには、映画の冒頭では、ミャンマーにおける内戦の背景説明のために、本物の虐殺死体の写真が何枚もスクリーンに映し出されます。
娯楽アクション映画のつもりでカポーで出かけることはオススメしません。彼女(もしくは彼氏側。もしくは両方)が90分も見ていられない事態に陥るかもしれません。
(俺は一人だったからそんな心配は無いけどなっwww)
スタローンの挑戦のもうひとつが、ミャンマーをテーマにしたこと。アフガンやベトナムも紛争地域をテーマにしていましたが、今回のミャンマーは、テーマという意味ではもっとも衝撃的です(注釈:ミャンマーミャンマーゆうてますが、スタローンたちはビルマビルマとゆうてます)。
これは僕の不勉強にしか過ぎないのですが、ミャンマーで起こっている内戦のことは、本当に衝撃的でした。
映画の冒頭で流されたナレーションのフレーズ「60年続く世界一長い内線」だけで、なんかこービリビリくるもんがありました。
(映画内の描写は、ミャンマーでカレン族と共に戦ったことのある元傭兵高部正樹氏のお墨付)
ランボーの根底のテーマのヒトツである、「戦うしか能の無い戦士たち」のことも、今回、あらためて気付かされてビリビリときました。
「こんなところにいたいと思うやつはいない。だが、これが俺たちだ。そしてこれが俺たちの仕事だ」
先日、ランボーの原作小説である「一人だけの軍隊」を読みました。
"帰還兵の悲哀"という言葉だけで語るには、あまりにも壮烈な"肉体の物語"にしびれました。
今回の「ランボー 最後の戦場」のラストは、蛇足といえば蛇足ですが、スタローンなりのランボーへの愛なのでしょう。
我々が暮らしているこの日常が、多くの「兵士達」の犠牲の上に築かれていることに思いを馳せたいと思います。
にしても、キリスト教徒に限らずなんでしょうけど、どこでも布教するのはどうなのかと思ったりも。医療や食料、勉学の提供だけではダメなんですかね。
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