「リレーをやっているようなもので、途中で止めたら大変だ」(野依良治氏)
地球は未来の子供達からの借り物、みたいな感じのフレーズがあったと思いますが、「技術」に関しても似たような構図があるのかなぁとか思ったり。未来に残す資産というか、過去からの利回りというか。
今の日本が(だいぶ地位がゆらいでいるとはいえ)、「技術立国」として成り立っていることも、アニメやゲーム、漫画などのコンテンツ供給国であることも、空手・柔道・茶道・天皇制などの伝統文化を資産として抱えていることも、過去からの「リレー」が続いてきたことの結果であるわけで。
その意味で、野依氏の言われる「リレーをやっているようなもので、途中で止めたら大変だ」という言葉は腑に落ちます。
今が苦しいからといって、「リレー」を途絶えさせてしまっては、未来の日本の子供達にソレを残せなくなるわけであります。自画自賛的になるにせよ、多くの日本人は、日本が持つ技術・文化が発展・継承されることが、ひいては世界の平和や発展に寄与することを信じているわけであり。
『ヒカルの碁』の佐為のアレですよ。10年、20年、100年、1000年と続く営み。"私"は後に続く誰かのためにあり、その誰かもまた、後に続く者のためにある。
「何かを成し遂げて名を残す人」が輩出されることは、突発的な事象なのではなく、その裏に綿々と続けられてきた営みがあることを示唆してるわけであり。そんでもって、その「営み」にこそ「価値」があり、「偉人」なんてものはその「営み」の途中経過の報告に過ぎないのではないかとか思ったり。
ムダを省くことも結構ですが、本当に大切なものに対してはしっかりと投資し、後世に伝えていくことが必要ではないでしょうか。
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