空間線量計 測定値比較 PA-1000(シンチ)とRD1706(ガイガー))
「環境放射線を測るのはガイガーカウンター」というイメージがあるせいか、西日本などでもガイガー式の測定器で環境放射線を測っている方が多いようです。
とかいう私もそうで、RD1706という機種を興味だけで買って測ってみて、「うーん、値が高過ぎるなあ」とか首をひねってました(爆)
で、その後にわか知識を仕入れて堀場PA-1000というシンチレーション式の機種を買ったので、値をくらべてみました。
「ガイガー式では低線量地域では正しい値は出ないけれど、こっちよりは高い、あっちよりは低いみたいな相対的な差は分かる」
「3割ほど差し引けば正しい値になる」
そういった意見も散見されましたので、そこらへんを検証したいなと。
結果は以下。12ヶ所で測ってみました。
地面から1mで測ったものが6地点、机の上や地面などに置いたものが6地点です。
PA-1000は、電源ONから1分たってから30秒ごとに5回ほど値を読んで平均(1分ごとが正しい?)。
RD1706は四角形の描画が終わってからの値です。
地点 PA-1000 - RD1706 - 倍率ドン
A 0.109 - 0.130 - 1.2倍
B 0.113 - 0.150 - 1.3倍
C 0.103 - 0.160 - 1.6倍
D 0.096 - 0.150 - 1.6倍
E 0.064 - 0.090 - 1.4倍
F 0.052 - 0.090 - 1.7倍
G 0.053 - 0.100 - 1.9倍
H 0.057 - 0.090 - 1.6倍
I 0.090 - 0.140 - 1.6倍
J 0.067 - 0.120 - 1.8倍
K 0.093 - 0.110 - 1.2倍
L 0.058 - 0.120 - 2.1倍
(測定値単位:マイクロシーベルト毎時)
相関係数 0.818
倍率平均 1.6
相関係数は0.818でした。そこそこ強い相関関係はありそうと言えそうな感じ?
で、RD1706は、平均すればPA-1000の1.6倍ほどの値を出してました。
ただ、ご覧の通り1.2〜2.1倍と、けっこうばらつきがあります。
私は専門家でもなんでもないのでアレコレとは言えませんが、とりあえずこの結果を見た感じでは、線量が0.1ぐらいの土地でRD1706はお蔵入りでいいような感じ。
いちおう、10万円の機種で測った値の1.6倍なので、4割引にすればなんとなくの値は分かると言えなくもないのでしょうけれど、あくまで平均すればの話。1.2〜2.1倍という開きがあるのは痛い。
もちろん、目的次第の話です。線量が0.1マイクロシーベルト毎時をある程度大きく超えているような土地で役立つように作られているのがRD1706などの機種でしょうから。
国民生活センター 比較的安価な放射線測定器の性能-第2弾-[PDF形式](380KB)
「安価な測定器は性能がダメダメ」みたいな意味合いで引用される国民生活センターの性能チェック。
ですが、実は0.118マイクロシーベルト毎時以上のチェックにおいて、RD1706はそこそこ頑張っています。(図5〜7参照)
図の8を見れば、参考品(60万円のシンチレーション式測定器)に近い傾向だと言えなくもない感じです。
家電趣味の延長線上で放射線モニタを買おうとしてらっしゃる方、ガイガー式の測定器をお持ちで測定値に疑問がある方の参考になれば幸いです。
追記:
1706ではありませんが、レビューをご紹介。
ページ中ほどの「数値のばらつき」の項に、「0.10μSv/h程度の低線量で数値を正確に知りたい場合は, 160秒間隔で10回くらい数値を読み取り,平均を取る必要がありそうです」という説明があります。
RD1706でも、"時間をかけて平均をとれば"、低線量の場所でもそれなりの数値がとれるのかもしれません。
このレビューの掲載されているサイトでは、平均をとるツールも使えますので、とても参考になります。
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